ブライドルレザーの経年変化と特徴について徹底解説 | 革製品のエイジングとは?
ブライドルレザーのエイジングと特徴について徹底特集! 革製品の経年変化とは?その魅力を紹介。
ブライドルレザーの特徴とは
ブライドルレザーは、厚手の牛革に、牛脂や蜜ロウから成る油脂を何度も塗り重ねて、艶やかさと抜群の堅牢度を誇る特別な革素材です。英語の「ブライドル」とは馬具の頭絡のことを差します。貴族文化で社交の場である乗馬は、英国紳士の嗜みとして歴史を紡いできました。その乗馬の馬具用にヌメ革に蜜ロウを沁み込ませ、耐久性を高めて強靭さを磨き上げた質実剛健な革です。
優れた耐久性と強度
元来、馬具は大きな身体の馬をコントロールしたり、乗っている人の体重を支える為、非常に大きな力が掛かることになります。更に馬にストレスが掛からないよう邪魔にならず、しかも丈夫であることが求められることになります。長い時間を掛けて、ブライドルレザーはいかに大きな負荷に長く耐えられるかを突き詰めて出来上がった機能的に優れた素材なのです。
美しいエイジング
高い耐久性と強度を求める過程で、蜜ロウをヌメ革に丹念に何度も染み込ませるので、新品の状態では染み込んだ油脂(=ブルーム)が表面に浮き出て白い粉を吹いたような状態になっていることが多いのもブライドレザーの特徴です。
実はこの特徴、機能だけでなくブライドルレザー最大の魅力ともいえる美しいエイジング(経年変化)をもたらすことになります。長くご愛用いただくとこのブルームがひとの手に触れ、温かさや摩擦を受けることで次第に革に馴染み、白みが落ち、革全体に艶(光沢)を生み出します。
上質な風合い
更にメンテナンスを続け、時間を経ることで、いっそう深みのある艶へと成長していきます。落ち着きのある上品な光沢は、決して色鮮やかな色彩ではありませんが、いぶし銀の味わいがより愛着の湧く風合いへと変化していくでしょう。
ブライドルレザーの経年変化エイジングの魅力
新品から使い始め、最初は無骨にも思えるブルームの乗ったバッグやお財布が、大切に使い続け、丁寧にメンテナンスを施し磨き上げることで、長い時間をかけ徐々に馴染んでいく感覚はちょっと微笑んでしまうような楽しさに繋がります。
使う人の癖を映し出し、ちょっとした使用傷までも味として、そのモノ唯一の個性となりブライドルレザーを使う大きな魅力として実感いただける筈です。
革に浮き出て表面を覆うブルームとは?蜜ロウとは?
ブライドルレザーと聞いて新品の革の表面に刷毛目のように浮かぶ白い粉の跡を思い浮かべる方も多いかと思います。この革の表面の白い部分は「ブルーム」と呼ばれ、革に染み込ませた油脂成分が浮いて凝固化したことで白く見えている状態です。これは革の製造工程で仕上げとして、職人の手作業でへらやブラシを用いて蝋引き作業が行われ、何度も繰り返し革に擦り込まれ革に含まれた油脂(グリース)になります。使い始めると、よく触れる部分や動かす部分から徐々にブルームは落ちていき、長い付き合いと共に美しいエイジングを見せ、豊かな表情を見せてくれることでしょう。丁寧に塗り重ねられる油脂は、タンナー(革製造業メーカー)毎にレシピは異なりますが、主に牛脂など動物性の油脂と蜜ロウから生成されております。基本的に無色(薄い黄色みを帯びた乳白色)のことが多く、耐久性と強度をもたらすだけでなく、時を経て独特の風合いを生み出してくれるのです。蜜ロウとは蜜蜂の巣の成分(ミツバチが分泌するロウ)を精製して作られる天然の油脂で、古くからワックスとして様々な用途で使用されており保湿効果に優れ、肌馴染みがよいことで知られています。
植物タンニン鞣しという伝統工法のお蔭!?経年変化の魅力
ブライドルレザーのベースとなる皮革には植物タンニン鞣し革を使用します。植物タンニン鞣しとは、自然の植物の樹皮などから採取できるタンニンを主成分にした鞣剤を使った鞣し製法のことで、歴史上最も古い鞣し製法であり、その歴史は古代オリエント時代まで遡ると言われています。時間を必要とするある意味効率の悪い鞣し方法ですが、革の持つ風合いを活かし、使い込むことで色が美しく変化させることが出来る工法なのです。
染料(アニリン)仕上げと顔料仕上げの違い、エイジングに表れる革本来の美しさ
革の仕上げには大きく2種類の仕上げがあります。
【顔料仕上げ】
合成樹脂を主な成分とする溶剤で革を仕上げる方法で、革の表面(銀面)をコーティングし、均一な着色、仕上げが出来ます。
【染料仕上げ】
粒子の細かいアニリンを用いた染料を使用すること多く、アニリン仕上げとも呼ばれる仕上げる方法です。時間を掛け革の内部にまで染み込ませるので、革の本来の風合いを活かす仕上げです。ブライドルレザーは「染料(アニリン)仕上げ」が用いられており、革の個性を活かした経年変化=エイジングを楽しむことが出来るのです。
スタッフ長年使用のブライドルレザー財布の経年変化
使い始めはまだ、ブライドルレザー独特の張りのある硬質な質感と、まだブルームがしっかりと残っています。これから、長い付き合いのなかでどんな表情を変えていくのか楽しみになる瞬間です。
半年~1年ほど使っていると、表面のブルームは落ち着き、革本来の色が濃く出始めます。マットな質感が上品で、新品の頃の硬さは徐々になくなり手に馴染むのを感じられます。
3年を超えて使い続けると革色に深みと、艶がいっそう増していきます。使い始めた頃とは見違える、貫禄さえ感じさせるような唯一無二のあなたの相棒になっているはずです。
定期的にクリームなどでメンテナンスすることでちょっとした擦り傷や、撥水・防汚性が保たれますので、長くご愛用いただけます。
個性あふれるカラーバリエーション
時間を掛けて光沢・艶を増すブライドルレザーですが、選択するカラーによって違った個性を見せます。エイジングと表現されることからも分かるように、この変化は長い時間と共に味わい深いものになっていきます。
・Black(ブラック):漆黒と呼ばれるような深い黒色と、長い年月と共に増す光沢との相性は抜群です。
・Dark Choco(ダークチョコ):微かに赤味を帯びた上品で落ち着いたトーンのチョコブラウン。深まる艶が魅力的です。
・Cognac(コニャック):本革らしさがよく伝わる万能カラー。明るいブラウンがより鮮やかに変化していきます。
・Green(グリーン):実は革との相性がとても良いカラー。深まるグリーンは唯一無二の個性として愛着の湧く変化を楽しむことが出来ます。
・Navy(ネイビー):室内ではシックな濃紺に、明るい屋外ではブルー掛かった色の変化が楽しめる魅力的なカラーです。
英国老舗タンナーJ.&F.J. ベイカー社のオークバーク漕で作るブライドルレザーの魅力と独特のエイジング
イギリスを代表するタンナーJ.&F.J. ベイカー社のブライドルレザーを紹介します。その伝統的な製法から使い込むことで、独特な表情を見せ、革好きにはたまらない逸品とされています。
英国に伝わるローマ時代からの伝統工法にこだわる誇り
古くは、古代オリエントの時代に既に革が使われていたことが知られており、その後、ローマ帝国の時代を経て、革を生産する技術や革製品を製造する工法がヨーロッパを始め広く各地へと伝わり、各地の特性に合わせて様々な発展を遂げたと言われています。
樫の樹皮Oak Barkのタンニンにこだわり、3+9か月もの長期間を掛けて革繊維の奥までピット漕で浸透させるオークバーク・ブライドル
イタリアと並び皮革産業が発達したイギリスにおいても唯一といわれる製法から生まれる特別な革です。オークバーク(オーク=樫の樹皮)からタンニンを抽出し、先ず3か月間、ピット槽に漬け込みます。更に9か月フラットにした状態でオークのチップと共に革繊維の奥深くまでタンニンを浸透させます。ゆっくりと贅沢に1年以上の歳月を費やされ鞣されるのです。
何度も手作業で、グリースを刷り込み、ワックスを塗り重ねる事で磨かれる、ブライドルレザーならではのエイジングの源泉
1年以上かけて鞣された革へ仕上げとして、職人の手作業でへらやブラシを用いて蝋引き作業が行われ、何度も繰り返し革に擦り込まれます。充分に染み込んだ油脂(グリース)は長く使い続けることで手の温かさや、動きによる摩擦よって美しい光沢をもたらすのです。
ブライドルレザー製品エイジングの為の、お手入れ方法
お気に入りのアイテムを長く楽しむのも革製品の醍醐味のひとつ。ちょっとしたお手入れを続けることで、より味のあるエイジングを楽しみましょう。ここでは基本的なレザーバッグ・革小物のお手入れ方法をご紹介します。
お手入れに必要な道具
- ・バッグ 革小物用のブラシ
- ・皮革用のクリーナー
- ・皮革用のクリーム/オイル (ブライドルレザー専用のクリームがお薦めです。)
- ・きれいな布×3枚(クリーナー用/クリーム用/カラ拭き用)(目の細かい柔らかめの布をご用意ください。)
お手入れの手順
- バッグ・革小物 全体をブラッシング。柔らかいブラシ等で全体的にホコリを落とします。
- バッグ・革小物 細かい部分のブラッシング。縫い目や、革の折り目などホコリの溜まりやすい部分まで丁寧にブラッシングするのがポイントです。
- クリーナーで汚れを落とします。クリーナーを使って汚れの目立つ部分や、以前に塗ったクリームのムラを落としておくと、よりきれいに仕上げることが出来ます。皮革用クリーナーをきれいな布にとり、部分ごとに汚れを丁寧に拭き取るように落とします。(クリーナーを使用される際は、先ず目立たない部分でお試しください。素材によってはシミや色落ちをすることがございます。)
- クリームを塗ります。ブライドルレザー用のクリームを全体的に塗り、皮革に潤いを与えます。クリームをきれいな布にとり、全体的に薄く塗り伸ばしてください。革の表面がしっとりとした感じになれば大丈夫です。
ブライドルレザー製品のおすすめラインナップ!
1. ブライドルレザー長財布
NICOLA-Tutto Bloom / L-zip Long wallet (wide type)
¥47,300(inc.Tax)
2. ブライドルレザー3つ折り財布
NICOLA-Bridle Misto / 3-fold Smart Wallet
¥29,700(inc.Tax)
3. ブライドルレザー ミニ・ウォレット
NICOLA-Bridle Misto / Flap Mini Wallet
¥22,000(inc.Tax)
4. ブライドルレザー バッグ
ALBA-Tutto Bloom / tote bag
¥96,800(inc.Tax)
5. ブライドルレザー サコッシュ
ALBA-Bridle Misto / 2ways shoulder
¥29,700(inc.Tax)
FAQ
Q:ブライドルレザーの特徴は何ですか?
馬具用だった為に、とても堅牢度が高く、その表面を覆うブルームが特徴です。
Q:ブライドルレザーはどのように経年変化しますか?
使い始めると新品の状態では白く見えるブルームが落ちていき、時間の経過と共に艶が出て光沢感があり深みのある色へと育ちます。
Q:ブライドルレザーの経年変化エイジングにはどのような魅力がありますか?
時間をかけて徐々にご自身の使い方に馴染んでいくことで、使う人の癖や、ちょっとした傷までも味として、そのモノ唯一の個性となりブライドルレザーを使う大きな魅力として実感いただける筈です。
Q:ブライドルレザーのメリットは何ですか?
・高い耐久性と強度を誇り、型崩れし難いと言われています。
・油脂が革の芯まで浸透している為、耐水性に優れています。
・ブルームの乗った新品を使い始める時のわくわくした気分を味わうことも魅力と言えます。
・色と質感が徐々に変わっていく経年変化を楽めます。
Q:ブライドルレザーのデメリットは何ですか?
・乾燥が進むと傷やひび割れができやすいです。(定期的なメンテナンスをお薦めします。)
・革自体に張りがあって丈夫な分、堅さもあり、馴染むまでに少し時間が必要です。
Q:ブライドルレザー製品の手入れ方法はありますか?
ブラッシングして、保湿クリームを塗布していただき、乾いた布で拭き上げるのが一般的です。
Q:ブライドルレザーとコードバンの違いは?
こだわりの革としてファンの多い「ブライドルレザー」と「コードバン」、どちらも革職人の伝統と技術に培われた素晴らしい革として有名です。
・ブライドルレザー
厚手の牛革(カウハイドレザー)に油脂を何度も塗り重ね、染み込ませた、艶やかさと堅牢度を誇る特別な革素材です。牛の肩部分から作られた皮革で、主にイギリスで強度が必要とされる馬具(頭絡)に使われてきました。
・コードバン
コードバンとは、農耕馬の臀部から採れる革素材です。コードバン層と呼ばれる繊維層を削り出して作られる革です。1頭の馬から採れるコードバンの量は非常に限られ、希少で高級な革と位置づけられています。堅牢さと、鏡のような光沢のある仕上げが特徴です。
Q:ブライドルレザー製品のおすすめのアイテムはありますか?
ダヴィンチファーロでは、大きなサイズのトートバッグや、お財布が特に人気です。普段使いし易いショルダーバッグも、好評頂いております。