ヌメ革のエイジングを楽しむための基本ケアお手入れ方法を解説します。

ヌメ革とは? エイジングの魅力など
ヌメ革とは? 革の区分けとして、鞣し方法によって革の呼び名が違います。その中に「ヌメ革」があります。鞣し方法で「フルベジタブルタンニン鞣し」と呼ばれる植物から抽出したタンニン剤だけを用いて、ゆっくりと時間をかけて革を鞣す方法です、非常に時間と手間のかかる方法なのですが、仕上がりは上品でしなやかでデリケートなのでフル植物タンニン鞣しのヌメ革は「革の中の革」と称されるほど魅力的な革なのです。

関連記事:「使い込むほどに馴染むヌメ革と、その経年変化」については【ヌメ革の経年変化】の記事をお読みください

エイジング=経年変化についても詳しい解説を別の記事コラムでご案内していますので、こちらをお読みください。
ヌメ革のお手入れが必要な理由
ヌメ革を含め「皮革製品」は合成材、繊維材にくらべ使用環境の影響を受けやすい材質です。人間の肌と同じように生きている皮膚と考えてお手入れをお願いします。
お手入れしないとどうなる?
素材の中でも「ヌメ革」は特に新しい時期(購入直後など)は表面の油分が少ない状態です。 そのままですと乾燥しすぎて表面がひび割れを起こしたり、キズがつきやすい状態になってしまいます。 そうなると革の弾力を失い、表面のしっとり感がなくなり、ツヤ感もなくってしまい痩せてしまったような感じになります。
ヌメ革手入れのお手順をご紹介しましょう。
※通常は表面のホコリなどを落とすだけでOKです。
- 2-3ヶ月(使用していない場合は半年程度)したら乾燥状態が進んでいますので、毎日のブラッシングをした後、別途オイル(クリーム)を塗布してください。 クリーム・オイルについてはヌメ革用のクリームやオイルが販売されています。使用する量ですが、いつも基本は「少なめ」を心がけましょう。これから後にはお手入れ・エイジングを繰り返して革とお付き合いします。一度に多量は必要ありません。イメージとしては10センチ四方の面積に対し米粒1つ程度から多くても2、3粒までくらいの量にしましょう。 クリームを革の表面に出して布などで全体に広げてください。 指で広げてもらっても良いです。敏感肌など、そういった方は念の為お気をつけください。
- 塗り広げたあとはクリーム・オイルがより均一に伸びるようにブラッシングしてあげましょう。このブラシは日常のブラッシングするブラシとは分けたほうが良いです。
- ブラッシングの後に縫製している糸目をチェックしてください。糸目にクリーム・オイルが残っている場合があります。その際は綿棒や爪楊枝でも良いのでクリームを取り除いてください。
- 柔らかな布(不要になった古いTシャツなどでOK)で優しく乾拭きしてください。
- 使わない期間はクローゼットなどでの保管は湿気が高い可能性があるので、できれば風通しのよい日光や照明のあたらない場所で保管しましょう。以上の要領でお手入れしましょう。
ヌメ革製品のお手入れに必要なアイテムは?

先の手順でご案内のとおり、お手入れに必要なアイテムとしては
・ブラシ2点(日常のブラッシング用、オイル用)
・オイルやクリーム
・柔らかな布
(綿棒や爪楊枝)
簡単に入手できるものばかりです。
ブラッシングによる革の表面のケア効果
ヌメ革を含めての革製品はブラッシングをすることにより色々な効果が表れます。ブラッシングすることで表面のホコリや不純物(手の脂・汗の後の塩分など)を払い落とせます。ブラッシングは革の表面のキメを整える効果もあります。キメが整うと自然な光沢感やツヤ感も生まれます。ブラッシングは革(ヌメ革)製品をより良く愛用するには非常に大切な作業です。使った後は、日々のメンテナンスだと理解して、サッとブラシ掛け(財布なら5-10秒でOK、バッグでも30秒もかかりません)するだけです。 埃や汚れは革に含まれる大切な油分を吸い上げてしまいます。なので、それらの不要なものを払いのけることが重要になるのです。
ヌメ革のクリームの必要性は?
ヌメ革は表面加工(塗装)などを出来るだけ施していないデリケートな革です。よって革自体には油分が含まれていますが、表面から油分が抜けやすい特徴があります。クリームやオイルを施すことにより革へ油分を補ってあげて保湿性を高めて潤いを与えます。 革の柔軟性やふくよかさを見せる艶感なども美しく出てきます。 クリーム・オイルのお手入れしなければ革製品は長年ベストな状態を保つことは難しいと思います。またクリーム・オイルのお手入れを重なることにより、撥水や防水レベルは無理ですが、水分が革に入り込みことを多少なりとも補ってくれます。また使用中に入った傷などもクリームやオイルでお手入れしていくうちに薄くなる効果も期待できます。
どのようなクリームが最適か?
ヌメ革にはどのようなクリーム・オイルが最適なのでしょうか?発売メーカーにより「ヌメ革専用」というクリーム・オイルがあります。このクリーム・オイルを使えばOKですが、その他のクリーム、オイルでも問題なく使えます。ただし、クリームやオイルにも「色革用」といった表記で黒い革専用、茶色用、などの色物用のクリームやオイルがあります。このようなクリーム・オイルは使わないようご注意ください。
・ニーフィットオイル:粘度が低いので革に吸収されやすいオイルです。早く飴色にエイジングさせたい場合などに効果があります。
・ミンクオイル:ニーフィットオイルなどに比べて粘度も高く塗りやすいオイルです。ペーストタイプなので手指に取って塗り込むなど便利なオイル・クリームです。時間を掛けながらエイジングを楽しむことができます。
・馬油(ホースオイル):こちらは美容品やシャンプーなどに含まれる成分を含んだオイルです。ホースオイルとしてとも呼ばれ純度の高いペーストタイプの馬油があります。比較的に安価で成分も天然由来のものなので匂い比較的気にならない。こちらもペーストタイプなので作業しやすいオイルです。
クリームの効果的な塗り方などの手順
先述したように、お手入れの第一手順として、毎日行うブラッシングと同様にブラシ掛けでホコリなどを払い除けてください。そしてクリーム・オイルを塗りますが、どのクリーム・オイルでも「まずはごく少量」から塗りましょう。 塗りすぎには特にご注意ください。たくさん塗ったからといって、 すぐに完璧なエイジングが完了するなどは有り得ません。少量から始めて、足らなければ、少し足してあげるイメージで塗りましょう。均一になるように塗り伸ばしましょう。 粘度の低いオイルなどは、そのまま製品に垂らす(付ける)とその部分だけに浸透して伸ばせないことがあります。 良い方法は手の指に少しオイルをつけて表面を撫でるように塗る方法がベストです。あるいは小さくカットした布(2-3センチ角)などに染み込ませてから徐々に表面を滑らせるような感じで塗るなど工夫してみましょう。均一に塗ることにより、後々の表面の経年変化イメージを均一な風合いにする点でも重要なポイントです。 この辺りは塗り忘れた、といったことが無いように財布やバッグのパーツなど毎回に順番を決めて作業しましょう。塗り終わったら、特に粘度の高いクリームなどはミシン目などのへこんだ部分に溜まっていれば、綿棒や爪楊枝などで取り除いてください。その後、ブラシで軽く表面を整える感じでブラシ掛けしてください。より均一にオイルが浸透する手助けと表面のキメを整えるためです。ブラッシング後は、仕上げに乾いた柔らかな布で表面を乾拭きしておきましょう。 余分なオイルの除去とツヤ出し作業の作用があります。
水に濡れた場合の対処法
水に濡れたら
ヌメ革製品を含めて革製品に水滴・雨は大敵です。大敵ですが、気をつけていてもちょっとしたことで水跡などが残ることは避けられないでしょう。そして水はシミの原因になることは仕方のないことですが、水滴・雨が気づいたらすぐに乾いた布やティッシュでも良いので表面を叩くように水分を取りましょう。 横方向に擦るのは厳禁です。そのあとは風通しの良いところでしっかりと乾燥させてください。 そのままクローゼットなど密室のような状態の場所に置いておくとカビなどを誘発します。水滴自体がきれいな水であれば輪染みもあまり目立たないと思います。ですが多くの場合多少の輪染みが残ります。その場合は輪染みの周囲を含めたエリアを、濡らして固く絞った布での輪郭がぼけるように叩きながら拭ってください。少しは輪染みが薄まるはずです。その後、乾燥させて、お手入れと同じようにクリーム・オイルでエイジングするようにお手入れしてください。
汚れについて
ヌメ革に付いた汚れですが、残念ながら汚れを完全に除去するのは難しいです。 特にヌメ革は表面処理をほとんど施さないナチュラルさが特徴になっているので汚れを吸着しやすく吸い込みやすい革です。前述の「水に濡れたら」のところでご案内しているのですが、「輪染みぼかし」の要領で、汚れが乾燥した状態でブラッシングをして、濡らした布を固く絞って叩くように汚れを布に移す感じで処理してみてください。
いかがでしたか? ヌメ革のお手入れについてご案内しました。お手入れはエイジング楽しみ、製品を永く愛用することへの基本作業です。 ヌメ革はじめ本革の製品に愛着が湧けば、自然と、どのようなメンテナンス、エイジングがベストか興味深くなると思います。ダヴィンチファーロの記事・コラムだけでなく色々な革についての記事やサイトをご覧いただき、革製品の奥深さを知って頂ければ嬉しいです。
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